アラサーのための戦略的「人生相談」--どうしたら「豊かさ」を実感できますか(その1)

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広瀬 一郎

■■第6回 どうしたら「豊かさ」を実感できますか(その1)

柿谷建・仮名 32歳 男性 金融機関勤務

私は、そこそこ以上の大学を出て、そこそこ以上の会社に就職し、そこそこ以上の仕事もしているつもりです。おそらく、世間的には、かなり評価が高い人生を送っていると思います。現在の生活では、仕事も人間関係も恋愛関係も含めて、そこそこに充実しており、特別な問題はありません。
 
 じゃあいったい何が不服なんだと自分でも思うのですが、何となく満たされていないような感じなんです。それは贅沢だ、と言われるかもしれませんが、「豊かさ」を実感できないんです。何が問題なのでしょうか?

広瀬:あなたの悩みは、世間的に言えば、確かに贅沢な悩みだと言われるでしょうね。でも「贅沢な悩み」を持つことは、決して悪いことではありません。何しろ、そこそこ以上の方なんだから、悩みだってそこそこ以上で当然ですね。

たとえば、小林秀雄が、こんなことを言っています。

「ランボオは人生は退屈だと言った。新橋で酔っているサラリーマンも人生は退屈だと言う。確かに言葉は同じだが、その退屈の中身にはかなりの違いがある」

正確ではないですが、こんな趣旨でした。どうですか? 人はそれぞれの能力や立場や置かれている環境によって、次元の違う悩みを持つのが当たり前です。

先ほどあなたが言った「豊かさ」という問題もそうです。物理的な豊かさという条件は、人が何を「豊か」だと感じるのか、時代や場所によって基準が変わっています。それぞれの人が、それぞれの人に合った「豊かさ」を追求していいし、また追求すべきでしょうね。

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