達人が教える!「安定収益が狙える株」の探し方 順調な値上がりこそが、確実な投資利益を生む

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優良株の条件の3つ目は「世界トップ」。特定の市場において売り上げやシェアがトップの企業のことです。国内市場のトップ企業も、将来、世界でトップクラスに入る可能性があるため、優良株に含めることにします。

世界トップ企業の強みは、オンリーワン企業やグローバルニッチトップ企業とほとんど同じです。オンリーワンとまではいかないものの、市場で半分くらいのシェアがあれば、オンリーワン企業と同じように、市場が成長したときに大きな売り上げアップになります。競合よりも市場への影響力が大きいため、価格決定権をもつことも可能です。

キーワードから「時代の変化」を読む

少し視点を変えて、株式市場には、そのときどきに注目されるテーマで上がったり下がったりする株が現れます。その流れや変化を見るためには、四季報の2ページにある「見出しランキング」を活用します。

これは、四季報のコメント欄の【  】内の見出しをランキングしたもので、毎号このページを定点観測していると、どんな見出しが増えて、どんな見出しが減っているのかがわかるようになります。

見出しとは別にコメント内に登場するキーワードにも注目します。わかりやすいのがコロナ禍です。2020年から2021年にかけての変化を見ると、「コロナ」というキーワードは減少傾向。これは、新型コロナ感染拡大の影響による業績悪化から、コロナ禍収束に伴う業績回復といった変化を示唆しています。

この場合、コロナで連想される銘柄をいまから買うのはリスクになります。IT関連、eコマース、ゲーム系、医療やバイオ系などがコロナ禍で上がる株の業種としてすぐに思い浮かびますが、これらはコロナ禍が収束に向かっていると判断された状況ですでに上がっている可能性が高く、いまからでは高値で買うことになる可能性があります。

ここで確認すべきなのは、コロナ収束の流れに出遅れている株があるかどうかです。たとえば、SHINPO(5903)。焼肉店などで使う無煙ロースターの専業メーカーで、シェア約7割をもつトップ企業です。飲食はコロナ禍でダメージを受けました。しかし、無煙ロースターは焼き肉の煙を吸うもので換気が強力。これがコロナの感染防止対策からの連想で注目を浴び、国内外で売れるようになったのです。

次ページコロナ禍の収束で株価が上がりそうな業種を深読み
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