達人が教える!「安定収益が狙える株」の探し方 順調な値上がりこそが、確実な投資利益を生む

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1つ目に挙げた「オンリーワン企業」とは、文字どおり唯一の強みを武器にしている企業。他社にまねできない技術をもっていたり、特異性のある商品やサービスをもっている企業は市場にライバルがいません。これは経営の安定材料です。

ライバルがいないので市場を独占でき、市場が成長するほど売り上げが増えます。また、ライバルがいなければ価格競争も起きません。他社には同じものがつくれないわけですから、安売りしなくても売れます。市場(消費者や企業)が「高いなあ……」と思ったとしても、その商品に需要があり、お客さんにとって不可欠なものであれば、お客さんはその会社から買わざるをえません。

言い換えると、オンリーワン企業の特性を発揮するためには、事業を展開している市場およびオンリーワンの商品やサービスの需要が安定していること、または成長していることが大事です。

世界を舞台に稼げる

「グローバルニッチトップ」とは、世界で通用する競争力をもつ企業です。

実はグローバルニッチの領域でトップ群に入る企業は数多くあります。そこで、経済産業省が選出した「2020年版グローバルニッチトップ企業100選」を参考に、経営の安定性や成長の可能性などを踏まえて、優良株を絞ります。

経済産業省が選出した企業は、機械・加工部門が61社、素材・化学部門が24社、電気・電子部門が20 社、消費財・その他部門が8社。これらの企業は、100~1000億円規模の市場において、大企業は約20%以上のシェア、中堅企業と中小企業は約10%以上のシェアをもっていることを条件に選出されています。選出された企業が提供する商品やサービスの市場は、5〜10年の間に2倍以上に伸びると見込まれています。

こうした企業は、その名のとおりグローバルとニッチという2つの特徴をもっています。

グローバルとは、世界を舞台にしているということで、企業の将来的な成長が見込める要素です。日本は世界3位の経済大国で、国内だけでも大きな売り上げが見込めますが、世界の市場はその何十倍もの規模です。2019年の世界のGDP(国内総生産)は87兆ドル以上で、日本のシェアはそのうちの5.8%、5兆ドル少々にすぎません。残りの80兆ドル以上のうちの4割は新興国が占めています。

世界の人口は今世紀中に100億人を超えると予想され、新興国が総じて中流化し、生活水準が上がっていきます。この流れを踏まえると、世界の市場は今後も大きくなっていくと思われます。ちなみに、世界のGDPは1990年が20兆ドル、2000年が30兆ドル、2010年が60兆ドルと増え続けています。

グローバルを舞台にしている企業は、この大きな市場に手を伸ばせる位置にいて、世界経済の成長を追い風にできます。その点から見て、国内市場を舞台としている企業と比べて成長の可能性が大きいのが魅力です。

ニッチとは、小さな市場という意味です。これは1つ目の条件に挙げたオンリーワンに通じるポイント。オンリーワンの商品やサービスで市場を自ら絞り込むことによって、他社と差別化しやすくなり、シェアをとりやすくなります。独自性がある技術を活用したり、コアなファンを囲い込んだりすることによって、競合の参入障壁を高くできます。

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