ロシア紙ベドモスチによると、検討されている選択肢の1つは、海外送金の中継銀行(コルレス)を務める外国銀行とロシア中銀との外国債務取引に関する主支払代理人の変更だ。コルレス銀行は基本的な財務サービス実行と顧客の外国為替管理を担い、主支払代理人は債券管理を担当し、発行体から利息を集めて投資家に分配する。
このシナリオでは、債券保有者への支払いは外国のコルレス銀行や主支払代理人ではなく、ロシア中銀に対して行われ、その後、その資金はロシア連邦証券保管振替機関(NSD)に移され、最終的に国内の債券保有者もしくは米国のようないわゆる非友好国の債券保有者向けに特別に設けられる口座「タイプC」に行き着く。
S&Pはロシアの発行体を「選択的デフォルト」と認定
テクニカルデフォルト
独自の国内清算機関を利用することで、ロシアの投資家への支払いを止めている外国の清算機関を回避することも可能かもしれない。国際証券集中保管機関(ICSD)のユーロクリアとクリアストリームは、NSDの口座を凍結し、債券保有者への支払いを滞らせた。
ロシア産業企業家同盟(RSPP)は、クロスデフォルトや対外資産凍結を回避する取り組みの一環として、社債に関し同様の提案をしている。非居住者はロシアの銀行にある特別外貨口座で社債の支払いを受け、ロシア財務省もしくはその主支払代理人に保有債を売却する権利を持つという仕組みを検討。外銀のデューデリジェンス(資産査定)プロセスでテクニカルデフォルトに陥り得る多数のロシア企業支援が狙いだ。米国の制裁対象とならないロシアの事業体でさえ、返済遅延に直面している。