ロシアがデフォルト(債務不履行)回避に向けた動きを加速させている。
JPモルガン・チェースは米財務省の指示に従いロシアのドル建て国債2本の債権者への利払いを停止。これによりルーブルでの支払いを強いられたロシア中央銀行は、JPモルガンやシティグループを介さず債務を履行する手法を確保しようと奔走している。
状況は20日に一段と深刻化した。 クレジットデリバティブ決定委員会(CDDC)は同日、ロシアがドル建て国債2本の支払いを契約に反してルーブルで行ったことにより、「潜在的な支払い不履行」が発生したと判断。同国債の猶予期間が5月4日に終わる前にロシアが国債保有者にドルでの支払いを行わなければ、CDDCの決定に基づきクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引のクレジットイベント(信用事由)が発生する可能性がある。
ロシア国債「潜在的な不履行」、ルーブルでの支払いで委員会判断
ロシアは国内金融機関と独自の清算機関を通じて支払いを行う方法を探っているが、その取り組みがうまくいくかどうかや、それがデフォルト回避につながるかは不明だ。米バージニア大学法科大学院のミトゥ・グラティ教授はインタビューで、「明確に文章化されておらず、恐らく何らかの判断が必要になるだろう」と述べた。