ロシアのドル建て公社債がルーブルで支払われても、デフォルト回避となるかどうかは分からない。格付け会社S&Pグローバル・レーティングは、ロシア政府が2022年と42年償還のドル建てユーロ債の元利払いを期日だった先月4日にルーブルで行ったとの理解に基づき、ロシアの外貨建て発行体信用格付けを「選択的デフォルト」と認定。「30日間の猶予期間中に対応策が打ち出される可能性はあるが、われわれは投資家が受け取ったルーブルを当初決められていた受取額と同等のドルに交換できるとは見込んでいない」と指摘した。
ロシアの外貨建て発行体格付け、「選択的デフォルト」にS&Pが下げ
ルーブルで債務履行可能と見なす条項も
通貨免責条項
ただ、債務再編に詳しいグラティ教授は、ロシアの債券文書には受取人がルーブルで十分なドルを購入できる限り、ロシアがルーブルで支払うことによって債務を履行できると見なす通貨免責条項が含まれていると説明。自身のブログに「この条項は受取人がルーブルを用い十分なドルを買い入れことができる限り、異なる通貨での支払いが認められるとしているようだ」と投稿した。「これはロシアがルーブルで支払うことによって債務を履行できることを意味しているようにみえる」との認識を示した。
ロシア政府による第2の案は、投資家が拠点を置く場所に応じて借り手が別々の支払いルートを通じて利払いを行うというもの。たが、外国の債券所有者への支払いは外国の主支払代理人が処理するが、その主支払代理人もまた規制の対象となる可能性がある。ロシアの債券保有者は国内機関を通じて資金を受け取る。この案を示した政府小委員会はまた、代替案として投資家からユーロ債を買い戻すためにルーブルを使用するよう推奨。これは、4月4日に満期を迎えた20億ドル(約2600億円)の債券ですでにロシアが行った対応だ。
原題:Russia Faces New Urgency to Avoid Default, Sidestep Wall Street (抜粋)
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著者:Jennifer Surane、Irene Garcia Perez、Hannah Levitt
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