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「抗体を持つ人」が増えても集団免疫ができない訳 イギリス人はほぼ100%抗体を持つが防げず

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  • 宮坂 昌之 大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授
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そして2021年12月にはオミクロンへの急激な置き換わりが進んだこともあり、12月上旬時点で、新規感染者数が連日5万人以上、2022年1月には1日の新規感染者数がなんと27万人を超え、1日の入院者数が約3000人となりました(ちなみにイギリスの場合、入院者は感染者の2%程度で大部分が自宅療養です)。

抗体陽性者と感染者数を比較すると

この状況を客観的かつ経時的に眺めるために、イギリス公衆衛生庁の抗体陽性者のデータとworldometerの感染者数データを組み合わせて、比較してみました(図)。

イギリスでは抗体陽性者が大部分となっても、感染者が減らず、かえって増えている 図の上半分は、既感染者が陽性となるN抗体の陽性率と既感染者とワクチン接種者が陽性になるS抗体の陽性率の時間的推移を示す(ロンドン市のデータ)

図の上半分を見ると、イギリスは2020年暮れからワクチン接種を始めたことにより、感染者とワクチン接種者が持つ「S抗体」の陽性者がぐんぐんと上昇したことがわかります。そしてS抗体陽性者が8割を超えた2021年7月時点でイギリスは社会的な規制の解除を行いました。

当時、感染者のみが持つ「N抗体」を指標にすると、約20%のイギリス国民が新型コロナに感染していたことがわかります(日本と比べて10倍以上高い頻度です)。

そして2021年8月になると、S抗体陽性者は実に97.5%に達します。つまり100%近いイギリス人が新型コロナウイルスの抗体を持ったことになります。

これまでの公衆衛生疫学の考え方にもとづけば、感染が自然に収束する集団免疫が確立されていてもおかしくありません。しかし、ワクチン接種と自然感染によって国民の大半が抗体を獲得したにもかかわらず、オミクロン株の猛威を抑えられなかったのです。

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