おカネの専門家が語る「わが家の金融教育」事情 高校で本格化「金融教育」よく聞かれる4の疑問

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しかし、原則として日本の株式市場においては100株からしか投資ができないため、それなりのお金がないと自由に銘柄を選んで投資することは難しい。親がそれなりの金額を用意できるなら話は別だが、子どもがお小遣いやお年玉を貯めた程度ではなかなか厳しい。また、親自身が投資に慣れていない場合、そもそも投資にお金を使うということに抵抗が大きい場合もあるだろう。

例えば、最近は買い物で貯まるポイントを使う「ポイント投資」や、買い物金額の端数を投資にまわす「おつり投資」などもあるので、いきなり身銭を投じたくない家庭では、そのようなサービスを活用することも考えていいだろう。

そんな小さな金額では儲からないという意見を聞くこともあるが、金融教育の観点からすれば、儲けだけを目的として投資をすることは避けたほうがいい。当然、利益を出すべくさまざまなことを考えるべきではあるが、儲けだけが目的というのでは教育にはならない。投資をすることで、政治や経済、企業のビジネスモデルや業績について、自分事として興味を持つことが重要だと考える。

重要なのは「お金」とは何か

マネネを創業して以降、金融教育を実施する方や、金融教育に強い関心を抱く親御さんたちと意見交換を繰り返し、筆者自身の金融教育に対する考え方も大きく変化してきた。

現時点で行き着いた考えとしては、やはり前述のように金融教育は幅広い内容を学ぶ機会であるべきだということ。そして、もう1つは「お金」とは何か、ということを真剣に考える機会であるべきということだ。

現代社会において、お金は非常に重要な役割を果たしている。お金がなければ社会は回らないだろう。あまりにもお金、お金と言うと、拝金主義者と非難されることもあるが、お金がなければ何もできない社会なのだから、お金に対して真摯に向き合うことは間違ったことではないだろう。

「お金」というものはあくまで社会における経済活動を潤滑にするツールであり、重要なのはお金の先、または手前に人がいるということをしっかりと認識することだ。

何かを買うときにお金を払うが、その何かを作ってくれた人はどこで何をしたのかという意識が重要だ。この世は誰かの仕事で成り立っていて、自分自身もその中の一部である。その社会をお金がどのように回り巡っているのか、どのような役割を果たしているのか。このような根本的なお金の話から始まることが理想の金融教育なのだろう。

森永 康平 マネネCEO/経済アナリスト

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もりなが こうへい / Kohei Morinaga

証券会社や運用会社にてアナリスト、エコノミストとしてリサーチ業務に従事した後、複数金融機関にて外国株式事業やラップ運用事業を立ち上げる。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、各法人のCEOおよび取締役を歴任。現在は法律事務所の顧問や、複数のベンチャー企業のCFOも兼任している。日本証券アナリスト協会検定会員。株式会社マネネTwitter

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