おカネの専門家が語る「わが家の金融教育」事情 高校で本格化「金融教育」よく聞かれる4の疑問

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「金融教育」懸念点は?

筆者は日本でも金融教育を普及させることをミッションとして2018年に金融教育ベンチャーのマネネを創業したので、今回の動きに関しては全面的に賛同しているし、少しでも力になりたいと考えている。

しかし、懸念があるとすれば、「金融教育=投資教育」という偏った印象を抱かれないか、ということだ。金融庁が「高校向け 金融経済教育指導教材」を公表しているが、その内容はお金を増やすだけではなく、使う、備える、貯める、借りるなど幅広い内容を扱っている。筆者としては投資に限らず、幅広くお金について勉強してもらいたいと思っている。

専門家の金融教育事情は?

家庭では何をやればいいのか?

つぎに紹介するのは、家庭ではどのような金融教育をすればいいのかということだ。

金融教育ベンチャーを経営しているのだから、子どもにも英才教育をしているはずだという期待感をもって質問をしていただくのだが、実態としてはそこまで大げさなことはしていない。3人いる子どものうち2人は小学校低学年、1人は幼稚園児だ。当然だが、難しい計算などできない。経済学書を読むことだってできない。

それでは、何をしているのか。未就学児の頃から毎月現金でお小遣いを渡し、目の前で貯金箱にお金を入れさせているぐらいだろうか。

それはわが家でもやっているよとガッカリされるかもしれないが、わが家の特徴だと思うのは、「貯めること」を強制もしなければ、それを良いこととも教えていないことだ。お金を手に入れた以上、それはもう子どものものだ。それを何に使っても構わない。貯めてもいいし、スグに使ったっていい。

ただ、使うという選択をするときは、同時に貯めるという選択肢を捨てたということ。そして、貯めるという選択をするときは、同時に使うという選択肢を捨てたということを意識させるようにさせている。つねに私たちは選択を迫られ、何かを選んだときは同時にほかの選択肢を捨てたということを強く意識させるのが幼少期には重要だと考えている。

子どもでも株式投資

最後に紹介するのは、子どもに株式投資をさせたほうがいいのかということだ。現在は未成年口座やジュニアNISAなどがあるため、子どもでも株式投資をすることは物理的に可能である。

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