新入社員がいきなり「在宅勤務」するのはNGな理由 ビジネスパーソンの必須スキルはリアルな場で

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お客様が繊維メーカーで、キーパーソンが総務部長だとする。47歳の男性だ。このメーカーに新素材の提案をしたい。キーパーソンであるこの総務部長と関係を構築するには、いったいどうしたらいいのか。

お客様が広告代理店で、キーパーソンが専務だとする。この39歳の女性に、2000万円を超えるITソリューションを提案したいと考えている。そのソリューションの有用性をはやく訴えたいという気持ちもあるが、まずはこの専務と関係を構築するのが先だ。いったいどうすればいいのか。

お客様のニーズを確認したいし、課題発見もしたい。そのためには、相手の価値観や考え方と合わせていくことだ。

どうすればいいだろうか?

簡単だ。相手の価値観や考え方と合わないことをしなければいい、それだけだ。10年も20年も社会人をやっている人は、共通の価値観を持っている。それが「敬語」「礼儀」「気遣い」などだ。当たり前のことを当たり前にやるだけでいい。

媚びを売る必要もないし、忖度などもしなくていい。失礼にならない言動、振る舞いをし、大人の対応ができればいい。それだけだ。

つまり、お客様から、「君、まだ学生気分が抜けてないね」と言われないだけでいいのである。

人と人との信頼関係はいっそう重要になる

一般企業においては、若い世代が上の世代とペーシングするのが基本だ。なぜなら、上の世代が現在の社会システムを作り、就職した会社の基盤を作り上げたからだ。だから新入社員は目先の作業をするための技能習得より、まずは人間関係構築能力を高めることだ。

特にこれからの時代はそうだ。

技能はテクノロジーの進化によって、いずれ置換される。いっぽうで人と人との信頼関係は、よりいっそう重要になる。営業はもちろんのこと、一般の会社員もだ。先輩や上司と関係を悪くすれば仕事に支障がある。どんなに正論であったとしても、関係ができていない限りは、主張は聞いてもらえない。先述したような、学生気分が抜けないような人に、大人の対応はされないからだ。

コンサルタントが相手にするのは、ほとんどのケースで経営者や中間管理職である。外部環境がめまぐるしく変化している。今年2022年4月から中小企業にも「パワハラ防止法」が、「改正女性活躍推進法」(常時雇用する労働者数101人以上300人以下の事業主)も4月から義務化された。

毎年のように新しい法律が生まれ、改正され、私たちの労働環境は急激に変化している。その環境変化についていくため経営者や中間管理職は必死だ。ダイバーシティ経営をめざすうえでも、多様性を受け入れようと準備している企業も増えた。

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