新入社員がいきなり「在宅勤務」するのはNGな理由 ビジネスパーソンの必須スキルはリアルな場で
企業の現場に入って支援するコンサルタントである筆者が、コロナの時代になってからほとんど在宅勤務をしている。セミナーも研修もコンサルティングセッションも、すべて在宅で実施。オフィスへの出勤は週1回だけだ。部下にもクライアント企業にも在宅勤務を強く推奨している。しかし、新入社員だけは、在宅勤務をしないほうがいい、と強く考えている。
なぜか? それが今回のテーマである。
在宅勤務やテレワークについて、新入社員はどのように感じているのか。
学情が、2022年卒(予定)の大学生を対象に、就職活動に関するアンケートを実施した。それによると、実に【75.6%】が「テレワークや在宅勤務の制度があれば利用したい」と回答したという。多くの新入社員は在宅勤務、テレワークができる企業に入社したがるし、その働き方を希望するようだ。
在宅勤務の実施は従業員のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上のためだけではない。企業は自然災害や感染症拡大時に備えるBCP(事業継続)対策のためにも、積極的に促進しなければならない。
ただ……である。新入社員だけは別だ。
新入社員だけは緊急時でない限り、オフィス勤務にしたほうがいい。少なくとも1年は、できる限り出社してリアルの職場を経験すべきだ。
最近の新入社員に関する事情
4月になると、筆者の会社ではいろいろな企業に出向いて新入社員研修を実施する。もう15年以上も前から続いている。これだけ長くやっていると、時代による移り変わりも強く感じられる。大企業であれば人事担当の責任者、中小企業であれば社長からじきじきに意見を聞く。意見であるから、それは事実とは限らない。ただ、明らかに近年多くなってきたのは、
「敬語を使えない」
「気遣いができない」
「礼儀作法を知らない」
といった新入社員が増えている、という声だ。何の客観的なデータもないのだから、正直なところ思い込みにすぎないとも受け止められる。ただ、クライアント企業の人事担当者や経営者がそう言うのだから、こちらもスルーするわけにはいかない。
「そのような意見を念頭において、研修プログラムをアップデートさせていきます。講師も例年より注意を払っていきます」
と約束する。以前よりも敬語を使えない、礼儀作法を知らない新人が多いなら教えればいい。気遣いが足りない新人が増えているのなら、感度を高めるための薫陶を繰り返し伝えようと思う。
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