コロナ禍でも東京「都市力ランキング」3位の理由 ちなみに1位はロンドン、2位はニューヨーク

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新橋の飲み屋街。東京の「飲食店の多さ」が都市ランキングを上げています(写真:まちゃー/PIXTA)
コロナ禍においても、都内各地の再開発プロジェクトの多くは進行しており、懸念されていた人々の地方移住も限定的で、「東京一極集中」の状態は続いています。東京にはなぜ、それほどのパワーがあるのか。そして東京には、これから先どんな未来が待ち受けているのか。
明治大学名誉教授の市川宏雄氏、株式会社ボルテックス代表取締役社長兼CEOの宮沢文彦氏の新刊『2030年「東京」未来予想図』から、東京の現在と未来を3回にわたって紹介します。

都市にも国際競争力が求められる時代。東京はニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、シンガポール、北京など、世界の主要な都市と比べて、どのような立ち位置にあるのでしょうか。

「国」ではなく、「都市」の総合力をはかるものさしとして各国の調査資料によく引用されているのが、「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index=略称GPCI)」です。これは私(市川)が主査となっている森記念財団都市戦略研究所で、2008年から毎年世界に向けて発信しているランキング調査です。

その特徴は、世界を代表する主要48都市をまず選出し、各都市に対して精細な指標を設定したうえで分析を加えていること。まず大まかに「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野を設定し、それぞれの分野ごとに8〜16の指標を立て、合計70指標で各都市の都市力を数値化しています。

トップ5の顔ぶれはまったく変化せず

2021年の都市総合力ランキング1位はロンドンでした。以下、ニューヨーク、東京、パリ、シンガポールの順。実はこの10年間、これらトップ5の顔ぶれはまったく変わっていません。

順位に変動があったのが2012年と2016年。2012年には、ロンドンで開催された世界的なスポーツの祭典を契機に、それまで1位だったニューヨークと2位のロンドンの順位が入れ替わりました。また、東京で世界的なスポーツの祭典の開催が決まった2013年から東京のスコアが年々伸びていき、2016年にそれまでずっと3位だったパリを追い抜きました。

東京のスコアはその後数年伸び悩んでいたものの、コロナ禍がプラスに働いてスコアを伸ばし、順位は3位と変わらないながらも、1位のロンドン、2位のニューヨークとの差を縮めました。

分野別に見てみると、「経済」分野では、「証券取引所の時価総額」などで他の都市を圧倒しているニューヨークが5年連続で1位。東京は4位ですが、実はスコアが毎年少しずつ下がっていて、5位香港、6位チューリッヒ、7位シンガポールとの差はわずかとなっています。

「研究・開発」分野では、ずっと3位だった東京が4位に落ちました。代わって初のトップ3入りを果たしたのがロサンゼルス。「特許登録件数」「主要科学技術賞受賞者数」「スタートアップ数」でスコアを伸ばしました。

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