意外?都道府県のJR代表駅「乗車人員」ランキング 県庁所在地のJR駅、街の人口とは直結しない
沖縄県を除く全国46都道府県にJRの駅がある。では、都道府県を代表する駅の利用状況はどうなっているのだろうか。そこで、都道府県庁が所在する市にある代表的なJR駅を1駅選んでその乗車人員を調べてみた。
最新データは新型コロナの影響を大きく受けているので、影響が軽微な2019年度の数値を用いている。ただし、2019年度のデータが得られなかった一部の駅では2018年度のデータを用いた。東京都を代表する駅として都庁の最寄り駅である新宿駅を用いたが、そのほかの道府県については、JR時刻表の「都道府県庁所在市駅代表駅」に基づく。なお、京都駅はJR西日本、博多駅はJR九州の数値を使用している。
1日乗車人員が多い駅の上位の顔ぶれを見ると、都道府県庁が所在する自治体の人口が多い駅がずらりと並ぶ。1位は新宿駅で1日に77万人が利用する。JR時刻表が東京都の代表駅と定める東京駅(JR東日本)を用いても、1日乗車人員46万人で1位は変わらない。
以下、2位大阪駅、3位横浜駅、4位名古屋駅、5位京都駅と続く。
人口が200万人に迫る札幌市、駅利用者は少なめ
札幌市の人口は195万人で福岡市や京都市を上回る人口を誇る。にもかかわらず、札幌駅の順位は8位で京都駅や博多駅を下回る。市の人口が多い割には駅の利用者が少ない。
札幌駅の1日乗車人員を市の人口で割った「人口1万人当たり乗車人員」は503人で全国25位に位置する。大阪、京都、横浜といった駅はこの数字が1000人を超えるので、これらの都市と比べると、駅の利用頻度は半分程度ということになる。
利用が少ない理由として、北海道大学公共政策大学院の石井吉春客員教授は、「新幹線が来ていないことが、札幌駅の乗降客が少ない理由」と指摘する。
たとえば、仙台駅の1日乗車人員は9万699人だが、そのうち新幹線の乗車人員は2万6653人だ。JR西日本の京都駅の1日乗車人員は19万5082人だが、このほかにJR東海の新幹線京都駅の1日乗車人員は3万7000人。新幹線が運ぶ人数はあなどれない。
2030年度末に北海道新幹線の札幌駅が開業する。羽田―新千歳間など空路からのシフトがある程度見込まれるほか、仙台や盛岡など東北主要都市からの移動需要が喚起される可能性もあり、新幹線が札幌駅の利用者増に貢献しそうだ。
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