他人の成功への「黒い嫉妬」をこじらせる人の心理 「欲しいけれど手に入らない」のジレンマが暴走

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前述した「出世した同僚」を例に、具体的に当てはめてみましょう。

【無価値感】……私には出世できるような魅力も価値もない。そんな自分はどうせ認めてもらえない。

【劣等感】………私は出世したあの人よりも、さまざまな点で劣っている。
【怒り】…………なんで会社や上司は、私のことを認めてくれないんだ!
【罪悪感】………私が出世しても、会社や部下に迷惑をかけるだけだ。
【嫌悪感】………出世したからって、別にいいことなんて何もない。
【無力感】………私には、出世して責任を負うほどの能力がない。
【不安】…………私が出世しても、うまくできるかどうか不安だ。
【怖れ(抵抗)】…出世なんかしたら、仕事がさらに忙しくなって大変になる。 
【不信感】………あの人が出世するなんて信じられない。絶対に何か裏がある。
【失敗感】………かつて責任ある立場でうまくいかなかったことがあるので、自信が持てない。
【競争心】………あの人よりも私が下だなんて、納得できない。
【独占欲】………他の人が会社から評価されるなんて許せない。

しかし、ここに書いたような感情は通常は抑圧されているので、その人自身も認識はしていません。無価値感があるのだけれど、それを感じないようにしているので「嫉妬」になっていると考えられます。

「私なんてどうせ大した実力もないし、出世なんてできない」という無価値感が心の中にある人の場合、嫉妬を本質的に解決していこうと思ったら、その嫉妬という感情をつくっている無価値観と向き合っていく必要があるのです。

もしその無価値感を癒していくことができれば、純粋に「うらやましい」と思うだけになり、嫉妬する自分への苦しみから解放されます。嫉妬の裏に隠れた本当の感情を知ることで、より具体的な対策を考えることができるようになるのです。

嫉妬をパワーに変える3ステップ

では、嫉妬を覚えたときに、その感情そのものと向き合っていく方法をお伝えしていきましょう。

【ステップ1】自分の「魅力」を発見する

自分が嫉妬していることに気づいたら、そこから目を逸らさずに、次の質問を自分自身に投げかけてみます。

・私は、相手の「何に」嫉妬しているのだろう?
・私は、何を「うらやましい」と思っているのだろう?
・私は、何を「手に入らない」と思って、嫉妬してしまったのだろう?
・そこからわかる、私が本当に「欲しいもの」は何だろう?

頭で考えるのではなく、胸に手を当てて心の中にいる自分に問いかけ、その声を聴くつもりで、ゆっくりと質問を繰り返してください。

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