他人の成功への「黒い嫉妬」をこじらせる人の心理 「欲しいけれど手に入らない」のジレンマが暴走

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多くの人は「だったら、それを素直に認めればいいのに」と、頭では理解できています。でも、それがなかなかできないのです。なぜなら「幸せな家庭を手に入れたい!」そう願うけれど、心のどこかで「どうせ私には手に入らないのだろうな……」とも思っているから。

「休日に仲良くショッピングモールで買い物をしている家族」に激しく嫉妬してしまうのは、「私もそれが欲しい!」と思う一方で、「私にはそんな魅力もないし、手に入れることはできない」という思い込みがあり、その「葛藤」がやがて嫉妬というかたちになって湧き上がってきます。

素直に認められない理由には、無価値感や劣等感といった別のネガティブ感情が影響しています。つまり嫉妬というのは、「欲しいけれど、手に入らない」という心の葛藤が生み出している複雑な存在でもあるのです。

嫉妬のレシピは「うらやましい」「ネガティブ感情」

日頃から自分のことを客観視できる人は、自身が望むものを手にしている人に抱いた感情に対し、「ああ自分は今、あの人のことがうらやましいんだな」と分析しています。たとえば職場で自分より先に出世した同僚に嫉妬を覚えたのなら、「出世していいな、うらやましいな」という思いがあるわけです。

でも「うらやましい」という気持ちと「嫉妬」って、厳密には違いますよね? 嫉妬のほうがはるかに激しく、暗く、ネガティブに感じられます。

じつは私たちは、「いいなあ、うらやましい!」と素直に認められる心理状態であれば、「嫉妬」をさほど強くは感じていません。多少の悔しさや寂しさはあるかもしれませんが、むしろ「おめでとう」「よかったね」と祝福し、「私もそうなれるように頑張る!」と前向きにとらえられるのが「うらやましい」という感情なのだと思います。

ということは、嫉妬を覚えたときに「いいなあ、うらやましい!」と素直に思えたなら、嫉妬に苦しまずに済むわけです。

では「いいなあ、うらやましい!」と素直に認められる気持ちと嫉妬は、何が違うのでしょうか。どうやら「うらやましい」という気持ちに、次に紹介するようなネガティブな感情が入り込むと、嫉妬に姿を変えるようなのです。

それは、無価値感、劣等感、怒り、罪悪感、嫌悪感、無力感、不安、怖れ(抵抗)、不信感、失敗感、競争心、独占欲といった感情です。

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