ウクライナ情勢と第2次大戦前との不気味な相似 世界最悪の1938~41年の歴史から何が学べるか

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混迷を極めるウクライナ情勢の今後を歴史から考えてみます(写真:Valeria Mongelli/Bloomberg)

「欧州情勢は複雑怪奇」

の言葉を残して総辞職した内閣がかつてありました。これからのロシアの状況について同じような複雑怪奇でサプライズな展開が待っているかもしれません。

世界の希望的観測としては、

「ロシアのウクライナ侵攻から始まった戦争もそろそろ終わりに近い」

というものです。首都キーウ近郊ではウクライナ軍がほぼほぼロシア軍を追い払い平和が戻りつつあります。

現在と第2次大戦直前の世界情勢に似た空気

一方で、

「目標を達成して戦争を終わらせたい」

という意向がロシア側にはあり、具体的にはマウリポリなど南部・東部に総攻撃をしかけロシアが部分的に勝利する形に持ち込むまでロシアは終われないという観測もあります。そして南部・東部が実質的にロシアの支配下になるとすればウクライナも欧米各国もそれを容認できないのではないかという展開になります。

ここ数週間、ロシアとウクライナの間で行われてきた停戦交渉は一時期こそ締結間近と見られていましたが、それが遠のいたという情報も入ってきています。もう一段階何かが起きて、ウクライナ情勢は世論の期待よりも長期化、複雑化しそうです。

予測できない混迷した未来を考える際に「歴史から学ぶ」というのは私たち未来予測の専門家が使う常套手段です。そして少し不気味なことを申し上げると「欧州情勢は複雑怪奇」と言い残して平沼騏一郎内閣が総辞職してから日米開戦に至る第2次世界大戦直前の世界情勢は2022年現在のロシア情勢と実は似ています。

その後の世界が第2次大戦に向かったことを考えると似ていたとしてもあくまでそちらには行ってほしくはない話ではありますが、その奇妙な符合を挙げると3つの類似点があります。

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