東アジアの安全保障体制を見直す歴史的機会が来た

日本の民主党と米国のオバマ政権は、東アジアの安全保障体制を長期安定的な形へ立て直す歴史的なチャンスを手にしている。

三つの大きな要因により、東アジアの安全保障体制は立て直しが必要となっている。

第一の要因は、米国のグローバルな戦略体制がもはや維持不可能になっていることだ。2008年に始まった経済危機、米国国債の急拡大、イラクやアフガニスタンにおける長引く地上戦の行き詰まりによって、米国の経済力に限界があることが明白となった。米国は、全体的な防衛力を縮小する時期を迎えている。

第二は、その一方で、経済力と軍事力を拡大しつつある中国とインドが、オープンでリベラルな国際秩序を強化するためのコストと責任を負担する意向を示していないことだ。それどころか、とりわけ中国は市場と原材料へのアクセスを確保しようと必死であり、東アジアにおける領土争いに影響力を及ぼそうとしている。加えて、イランや北朝鮮のような、地域的な火種になりうる国々が存在するのが現状だ。明らかに、世界はいまだに国際的に大きな役割を自任する米国を必要としている。

米国による新たな「抑制的な関与」のカギとなるのは、地域的な安全保障体制を米国政府と協力しつつ機能させることだ。この方向へ向けた兆候として挙げられるのは、北朝鮮問題に関する6カ国協議や、米国、日本、韓国、オーストラリア、ベトナム、インド、その他のアジア諸国の間の安全保障協議の活発化だ。

第三は、日本に民主党政権が誕生したことだ。長年、近隣の国々が日本の外交的な影響力の高まりに抵抗感を抱いてきた。だが、日本の民主党はアジアのほかの国々に対するイデオロギー的・文化的優越主義と大方において無縁であり、優越主義が浸透していた自民党とは違うようだ。

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