6年間「死体役」をやり続けた彼女が見つけた道 サヘル・ローズさん、目標は遠くに置くといい
――著書の『言葉の花束』の中で、養母・フローラさんが「目標は遠いところに置きなさい」とサヘルさんに伝える場面がありました。その言葉は今も心に留めていますか。
もちろん。母と一緒に食事をする前にお祈りをするのですが、そのときに「サヘルがブラッド・ピットと共演する。ハリウッドで賞を受賞する」ってお願いするんですよ。今も毎晩、そう言って祈っています(笑)。
大きすぎる夢だなぁって、ついつい笑ってしまうのですが、母は「目標は遠くに置くと、自分に何が足りないのかがはっきり見えてくるから」と、教えてくれました。なるほどなぁと思いましたね。私自身もそうですが、自分の“目と鼻の先”に置く近い目標って、どうしても成長の幅が小さくなってしまいます。
遠い目標を描くことで見えてくる「自分に足りないもの」に、一つひとつチャレンジしていけば、いつかたどり着くことができる。たとえ、目的地にたどり着かなかったとしても、そこに向かうまでに素晴らしい出会いがあったり、ときには試練があったりするはずなので、きっと経験値は何倍も豊かになると思います。
そして、「本当はこうなりたい」「これがやりたい」と、周りの人に自信を持って言うこと。その大切さも母は教えてくれました。
他人に評価されるために生きてはいけない
――人に自分の夢や目標を打ち明けたら、「周りにどう思われるだろう」という恐れもあります。
よくわかります。私もそうです。だけど、母に言われました。
「批判的な人は、何をしても否定してくる。でも、誰の人生なの? サヘルの人生でしょう? 自分の人生をちゃんと生きなさい。他人に評価されるために生きる必要はない」
そんな母の力強い言葉の後押しがあるから、ここまで来られたんだろうなと思います。
周りから好かれようとか、認められようとして頑張ってしまう人が多いですが、そのスタイルを続けていくと、自分の本当にやりたいことができなくなってしまいます。それは、「人のための人生」を生きることになっちゃうんです。でも、重要なのは、「自分がどうしたいか?」。かけがえのない自分自身のために、まずはアクションを起こしていくことが重要です。
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