私たちはいま、時代の変革期に生きています。少し古い話になりますが、日本では1960年代から70年代にかけてテレビが急速に普及しました。1953年に国産初のカラーテレビが登場し、1960年にカラー本放送が開始。そして東京オリンピックが追い風となって1976年にはカラーテレビの世帯普及率が94%に到達。それに伴い、マーケティングの主戦場は新聞やラジオからテレビへと移りました。これは、単純に媒体が変わっただけでなく、静止画と音声から動画へと、手法が変わったという意味でも大きな動きでした。
それから50年。今度はテレビからインターネットへの推移が進んでいます。アメリカでは、昨年ついにネット広告の売り上げ(4.28兆円)がテレビ広告の売り上げ(4.01兆円)を超えました。ここでの「テレビ」はネットワーク放送のみで、ケーブルやシンジケーションも含めた場合は6.6兆円に達するため、まだまだ差はありますが、それでもかなりの勢いで追い上げていることは間違いありません。
デジタル広告のメリットとは?
日本ではアメリカと事情が大きく異なり、デジタルの広告費はまだテレビの半分程度です。しかし、メディア接触時間ではデジタルの割合が年々増えていて、世 代によってはすでにデジタルがテレビを追い抜いています。広告費でもテレビを超えられるかはわかりませんが、今後デジタルがより重要性を増していくのは間 違いないでしょう。
デジタル広告にはさまざまなメリットがありますが、他のメディアとは異なる難しさもあります。「インターネット」というのはデータが流れている空間であって、放送電波のように、それ自体に直接触れることはできません。つまり、インターネットを利用するには何かしらの端末(デバイス)が必要になるということです。
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