端末とひと口に言っても、実際はとてつもなく多種多様です。そして、1人で複数台を使っていることも、いまや珍しくありません。日本のネットユーザーのうち、スマホとPCを併用している人は74%、スマホとPCとタブレットを併用している人は18%に及んでいます(マクロミル調べ)。そんなマルチデバイスな状況は、デジタルの難しさの1つです。
具体的にどのような課題が生じてくるかというと、たとえば世の中のマルチデバイス化によってカスタマージャーニーがより複雑になってきています。たとえば、私自身もたまにやりますが、外出中に広告や店頭で気になる商品を見かけたら、とりあえずスマホで写真を撮ります。
その後、時間のあるときにPCで改めて詳細を確認し、気に入ったら購入する。このように、商品の認知と購入に異なるデバイスが利用される状況は、もちろんこれまでもありましたが、スマホの普及で大幅に増えています。また、事をさらに複雑にしている要素として、ネットで広告を見て実店舗で購入するというパターンも、依然根強く存在しています。
アドテクの役割は高まっている
消費者の行動が変わってきているということは、マーケティングも変わっていく必要があるということです。具体的には、「誰に」「何を」だけでなく、伝える方法や手段、結果の確認などの「どこで」「どうやって」を、これまで以上に重視する必要があります。そして、マーケティングが進化していくなかで、鍵となり、原動力となるのはアドテク(アドテクノロジー)だと考えています。
世の中にはさまざまな広告が溢れかえっていますが、その中のどの広告が効いているのか。これはすべてのマーケターが知りたいことだと思います。従来デジタルではクリック数やインプレッション数といった指標が広く使われてきましたが、そういった数字では実際にビジネスへの効果はわかりません。私たちが知りたいのは、売上にどれだけ貢献したか、ブランドイメージがどれだけ向上したかといったリアルな数字です。
消費者のオンライン行動を追跡するために使われてきたCookie(クッキー)は、デバイスやアプリをまたぐことができないため、マルチデバイス時代の到来によって有用性が失われつつあります。これはデジタル広告業界にとって極めて重大な問題で、次なるCookieとしてさまざまなアプローチが検討されています。
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