「猫を捨てる人」がフランスで激増した悲しい事情 コロナ禍で飼う人が増えたのは他国と一緒だが

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日本のペットショップに関しては、海外の事例を挙げつつ日本でもなくしていこう、という声は耳にするけど今のところなくなるという具体的な話は出ていないわね。

日本の場合、引き取られた犬と猫が殺処分になる割合は9割以上というショッキングな数字が出ている。収容日数も数日のみというケースも多いみたい。ペットショップでペットを買わずに保護犬や猫を引き取る人も増えてきているけど、それでも主流はペットショップでの購入ね。

フランスでは殺処分になる数は少ない

エマニュエル : フランスでは保健所に収容された動物は一般的には殺処分されることはあまりない。規則では、保健所に収容された動物は8日間のうちに飼い主が連絡してこなければ、遺棄とみなされる。この8日間の間には、治療や駆虫薬投与、ワクチン接種などが施される。

そして写真を撮って、飼い主募集のサイトに載せる。8日後からは、SPAなどの保護団体に連絡をし、動物をすべて引き取ってもらう。どこの保護団体も空きがないなどで、引き取り手がどうしても見つからない場合のみ、動物の殺処分が行われることになる。そしてSPAなどの保護団体においても、十分な確保の場所がない場合などは、殺処分を行うこともある。

多くのペットを勝手に遺棄することで安全性の問題もでてくる。捨てられるペットは流行りの犬種が多くなり、ブルドッグ、ピットブル、シェパードといった犬が1歳を過ぎたくらいで、まったくしつけを受けないままどこかの道や山に捨てられると、大変危険である。

くみ:そうね。狂犬病なども心配よね。私自身は殺処分に賛成では決してないけれど、遺棄されたペットの9割がほんの数日で殺処分になるということは、日本の飼い主がペットを遺棄するのを逡巡する理由にはなっているかもしれない。

逆にフランスのSPAは本来なら飼い主がすべき避妊手術からワクチンからトレーニングまですべてのことをしてくれて、次の飼い主まで探してくれるから、ペットを飼い続けることに少しでも不安を感じた飼い主が簡単に手放してしまうという側面もあるのかもしれないね……。

佐々木 くみ 執筆家、イラストレーター

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ささき くみ / Kumi Sasaki

東京生まれの30代。フランス在住10年を超す。2017年10月に、エマニュエル・アルノーと共著で自らの体験をつづった『Tchikan(痴漢)』をフランスで出版。イラストも手掛けた。

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エマニュエル・アルノー 小説家

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Emmanuel Arnaud

1979年生まれ、パリ出身。2006年より児童文学、小説、エッセーをフランスにて出版。2017年にThierry Marchaisseより佐々木くみとの共著『Tchikan』を出版。2000年代に数年にわたり日本での滞在、および勤務経験を持つ。個人のサイトはこちら

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