マンションは入居時点では「未完」とプロが言う訳 アフターサービス活用が修繕費削減につながる

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新築マンションのアフターサービスを上手に使うためのポイントを不動産コンサルタントの長嶋修さんが解説します(写真:zon/PIXTA)

商品やサービスを購入した後、販売側が修理やメンテナンスを含めた一定期間のフォローを行うアフターサービス。身近なところでは家電製品や自動車などのメーカー保証を想起する方も多いだろう。

新築マンションの場合でも同様だ。入居後に生じた建物や設備の不具合に対応するため、分譲会社・施工会社による保守点検や修繕などのサービスが保証されている。とくに2年目までは、無償対応が可能な項目も多い。有効に活用すれば将来的な修繕費の削減にもつながる重要な節目であり、チャンスでもある。

一方で、アフターサービスは、適切に使われなければマンションの維持管理において不安を残すことになってしまう。場合によっては今後の資産価値にも影響を及ぼしかねない。マンションは分譲された時点では「未完」だ。分譲後、ある程度の期間を経て発覚した不具合をしっかり補修することで、ようやくマンションは完成すると筆者は考えている。

そこで今回は、新築マンションのアフターサービスを上手に使うためのポイントを解説していく。

新築マンションのアフターサービス保証とは?

一般的に、新築マンションの引き渡しが終わり、新居に慣れた3カ月もしくは6カ月を経過したころ。入居者のもとに、売り主である分譲会社・施工会社(管理会社)から定期補修や不具合箇所を調べるためのアンケートが送られてくる。そしてアンケートで自ら建物や設備の不具合を指摘、申告すると補修が実施される。これが新築マンションのアフターサービスといわれる保証にあたる。

3カ月もしくは6カ月からさらに1年、2年目などの節目ごとに実施される場合が多いものの、売り主によってサービスや対応項目などメンテナンスの内容には違いもある。というのも、「アフターサービス」とは分譲会社など売り主と購入者で取り交わされる任意の契約だからだ。

一方、安心して住宅を購入するため、法律でも不具合に対応するための保証が定められている。契約不適合責任と呼ばれる法律である。従来、瑕疵(かし)担保責任と呼ばれていた法律で、2020年4月の民法改正により契約不適合責任にあらためられた。引き渡された建物に欠陥や不具合があり、契約の内容に適合しない住宅である場合の補償などの責任を売り主が負うものだ。

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