ウィル・スミス問題「脱毛症」当事者はどう見たか 薬の副作用だけでなくさまざまな原因で発症

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それからですね、何かを背負い込んでいるのは結局自分なんだ、と見えてくるようになったのは。ヨガを通して自分から一歩離れて、心を観察する練習をしたことで、とても楽になりました」

そして、「自分が自分の1番の理解者であり、応援する人になったら、別の人と比べる必要がなくなったんです。ウィッグをかぶって隠していたのは、他人のせいではなく、私が自分を受け入れられなかったから」と続けた。

脱毛はがん治療の副作用以外でも起こる

脱毛症に悩む当事者たちの団体やコミュニティは全国に少数しかなく、当事者同士がつながりを持ち始めているものの、髪がなくなる病気や症状は、がん治療の副作用以外にもあり、そのことが広く知られていないのが現状だ。

ASPJ代表理事の土屋光子さん(写真:ASPJ提供)

この状況を変えるべく、当事者の一人である土屋さんは有志のメンバーとともに「髪の毛の症状への理解を深め認知していくだけではなく、一人ひとりの肯定的な感情を高めていくこと、そのことを多くの人に伝えていきたい」と、2017年にASPJを設立、2021年にはNPO法人化した。

現在は、大人はもちろん、脱毛症の子どもの親の不安や悩みを和らげようと、先輩当事者とつなぐプロジェクトや、ウィッグは脱毛を隠すアイテムではなく、ファッションの一つとして楽しめるようにとイベントを企画。また、オンライン交流会の運営も行っている。

土屋さんが当事者と、その周りの人のコミュニケーションを見て、日ごろ感じていることを話してくれた。

「髪がない姿を見せると、驚きの反応をされることが多いです。確かに、自分が逆の立場だとして、今まで見慣れていないものに直面したら同じように反応すると思います。

ただ、この”驚き”と”否定”とは本来違うのですが、ときとして、驚かれている反応が拒否に感じられる当事者もいるのです。

私たちの団体が大切にしているのは、“病気だからわかってください”と理解してもらうことがすべてではなく、こうした症状は誰にでも起こりうることを知っていただくことから始まります」

ASPJではアート写真を撮影し、髪がないことを自分の一部として表現している(写真:ASPJ提供)
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