1.6Lで304馬力「GRカローラ」が背負う重大使命 先発の「GRヤリス」とは似て非なる開発の狙い
エンジンはGRヤリスと同じ1.6リッターの3気筒ターボ「G16E-GTS」。これは既存の汎用エンジンではなく、GRブランドのクルマのために新開発された特別なもので、2020年9月に発売となったGRヤリスに初搭載されている。
GRカローラに搭載するにあたり、GRヤリスと比べてパワーを24kW(32馬力)アップさせており、最高出力は224kW(304馬力)、最大トルクは370Nmにもなる。Cセグメントのハッチバックモデルとしては、まさにべらぼうなパワーだ。わずか1.6リッターで300馬力を超えていることにも、驚かされる。
この強烈な出力を受け止め、路面へと伝えるのが、6速MTとスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」だ。「GR-FOUR」もGRヤリスのために新開発された技術で、多板クラッチを電子制御することで前後の駆動力を可変させる。GRカローラに搭載するにあたっては、フロントとリヤのデフにそれぞれトルセンLSDが設定された。
また、パーキングブレーキがベースモデルの電動パーキングブレーキから、手で操作するハンドブレーキ式になっていることも変更点の1つ。ドリフト走行など、スポーツ走行での使用を想定しての変更だ。
サスペンション形式は、ベースモデルと同じで前輪がストラット、後輪がダブルウィッシュボーン。ブレーキは前輪が対向4ポットキャリパー、後輪が対向2ポットだ。ホイールは18インチで、タイヤは235/40R18のミシュラン・パイロットスポーツ4を採用する。
ベース車ゆずりの実用性も併せ持つ
フォーミュラドリフトに参戦するもののGRヤリスと同様に競技専用車ではなく、市販スポーツモデルであるため、乗車定員は5名だ。
5人乗りの5ドアハッチバックが持つ利便性はそのままに、スポーティな走りを楽しめるようにしたクルマだといえる。実用性を兼ね備えた市販スポーツカーだから、最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」も標準装備だ。
ワールドプレミアの場はアメリカであったが、日本での発売も予定されており、その日は今年の後半だという。価格は未発表だが、GRヤリスの1.6リッターモデルが396万~456万円であることを考えれば、それよりも少し上が予想される。
参考までに、ほかのCセグメントハッチバックのスポーツモデルを見てみると、フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」は466万円~、ルノー「メガーヌR.S.」は494万円~だ。
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