「毒親から逃げるため」に婚活した彼女の結末 親の呪縛から逃れる人・逃れられない人の差

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その男性と成婚する予定で、沖縄旅行の予約をしていたのですが、奈津美さんがマリッジブルーになってしまい、直前に交際終了。しかしよくよく考えてみたら、彼のように奈津美さんの親子関係を「そういう人生もあるよ」と理解してくれる男性はいません。改めて彼の包容力に気づき、彼1人傷心の沖縄旅行の最中に復縁を伝え、彼女が沖縄へ追いかけていき無事に成婚……という最後の最後まで山あり谷ありの婚活でした。

結婚相手が外国人ということを父親に伝えたら絶対に反対されるので、伝えていません。母親は父親から「奈津美と勝手に連絡をとるな」と言われているらしく、必然的に縁が切れたようです。奈津美さんは、たった1人で幸せへの道を走り出しました。勇敢な女性です。

「墓守しなければならない」と言われて育った女性

奈津美さんは無事に親の呪縛から逃れましたが、逃れられない、逃れようとも思わない人もいます。

婿養子を希望している30代の女性・千秋さん(仮名)。婿養子を希望する理由は「墓守」。その地域の習慣で、長子は先祖代々の墓を守らなければならないのだそうです。

今どき婿養子希望の婚活はかなり難しい。代々商売をやっていてその跡を継ぐというならまだありえますが、商売も何もないところに、ただ「お墓があるから」というだけで、男性が自分の仕事を辞めて知らない地域に行くでしょうか。 案の定、婚活は四苦八苦。

「これは難しいですよ。今どき、墓守に行きたいという男性はいません」「世の中、1人っ子が多いですし、兄弟がいても2人くらい。どこの親も手放しませんよ」という話を何度もしていますが、千秋さんは「親に小さな時から『墓守、墓守』と言われてきたから、その条件は変えようがないし変えられません。何がなんでも結婚します」と言う。家1軒、車も1台、仕事も口利きをして用意する。それくらいしないと千秋さんの結婚は難しいでしょう。

いったい誰と誰が結婚するのでしょうか。思わずそう疑問に思ってしまうような親子も少なくありません。「こんな人とお見合い成立したんだけどどう思う?」といちいち親に報告する。親が「この人はちょっとね……」「やめておいたほうがいいんじゃない」などと口を出し、一向にお見合いまで至らない。本人はこれまで自分で考えて決めるということをしてこなかったのでしょうか。親が言うことは間違いないと信じて疑いません。

口では「娘/息子がいいと思う人と結婚すればいい」と理解のあるふうなことを言っていても、実際には連れてくる人、連れてくる人、全部反対する母親は案外多い。

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