「毒親から逃げるため」に婚活した彼女の結末 親の呪縛から逃れる人・逃れられない人の差

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あまりに厳しい父親から逃げるために婚活を選んだ女性の結末は?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

結婚相談所の経営者として婚活現場の第一線に立つ筆者が、急激に変わっている日本の婚活事情について解説する本連載。今回のテーマは「毒親の呪縛」。子どもの人生を自分の思いのままに支配しようとする親から逃れて結婚した女性と、逃れられずに婚活に励む女性のケースをご紹介します。

父親が箸を置いたら…

弊社のカウンセリングルームで、ちょっとたどたどしい日本語で自分の生い立ちを語った20代女性・奈津美さん(仮名)。聞く限りではその家庭の様子はかなり特殊だと思いました。

日本語がたどたどしいのは、父親の仕事の関係で、生まれてから大学に入るまで、欧米諸国を転々として暮らしてきたから。奈津美さんは1人っ子で、母親は専業主婦。50代後半の父親は社会的地位がとても高い方なのですが、ちょっと普通ではありえないほど厳格なのです。

家庭内にはさまざまな掟がありました。たとえば、父親が家にいる間は絶対に家にいなければいけない。食事中、父親の箸が止まったら奈津美さんと母親も止めなければならない。食事中、父親が話し始めたら、箸を置かなくてはならない。

奈津美さんの大学進学のタイミングで一家は帰国しましたが、大学生になっても厳しい生活は続きました。授業が終わったらすぐに帰宅しなければならない。アルバイトは禁止。お小遣いもなし。昼食は学食で、その都度いくらかかかるのか申告して代金をもらう。友だちと外で食事したりお茶したりするのも禁止……。

海外暮らしが長く、その上、2〜3年ごとに転校を繰り返してきたので、「あなたの家、ヘンだよ」と忌憚なく指摘してくれる友人はいません。当然、恋愛をしたこともありません。

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