「毒親から逃げるため」に婚活した彼女の結末 親の呪縛から逃れる人・逃れられない人の差

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大学卒業後、外資系企業に入社。幼い頃から「女性は母親のように結婚して夫に仕え、食べさせてもらうのだ」と思ってきたことに加えて、コロナ禍でリモートワークのせいか、仕事に対して情熱はあまりありませんでした。ただ、日本で暮らしているうちに、「うちの家族はヘンだ」ということに少しずつ気づき始めたようです。

「このまま家にいたら、結婚どころか自分が望む人生は歩めなくなってしまう」。 奈津美さんは貯金していたお金を持って家を出ました。父親が「そんな勝手なことをするなら勘当だ」と怒鳴り散らしたので、「ありがとうございます」と、喜んで本当に縁を切ってしまったのだそうです。

特殊な親子関係に多くの男性がドン引き

ネットで弊社を知り、「20代半ばまでに結婚したい」と入会。しかし、日本の一般的な結婚の形、家族の形がまったくわからない。自分の家や限られた海外駐在員の家庭しか知りません。だから、女性はみんな結婚したら専業主婦になるものと思い込んでいました。

そして、母親は父親に何一つ物申せない。自由になるお金も一切ない。家の中で小さくなって、何を言われても父親に従うものだと思っていた。言ってしまえば、専業主婦は夫の奴隷。そのため、お見合いに行ってもものすごく低姿勢でした。

「今の世の中は違いますよ。夫婦とも働いていますし、女性も自由に意見も述べていいんです」というお話をしましたが、1回だけではわかってもらえないので、何度も根気強く話しました。 いわば"リハビリ"です。日本の社会や親子関係、結婚とはどういうものか、婚活以前のことを学びながら、お見合い相手を選びました。婚活を通じて日本の社会を知っていったようなものです。

最初は弁護士や医師、経営者のような年収の高い30代男性と会っていましたが、「親と縁を切った」という話をすると、みんなびっくりして引いてしまう。ただ1人、真剣交際に進んだ男性がいました。6カ国語ほど話せる語学堪能な外国人です。

その男性は奈津美さんのことをとても大事にし、エスコートも上手。日本の男性はエスコートが下手なんですね。特に30代の弁護士や医師は上から目線で、女性を軽視しがちでした。

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