研究で判明「心疾患」リスクが一気に増す"酒の量" 「お酒を飲む人」に知ってほしい不都合な新事実
クリーブランド・クリニックの心臓専門医スタンリー・ヘイゼンは3月下旬、2人の患者からこんな質問を受けた。心臓の健康のためには1日にどれくらいのアルコールを摂取するのが望ましいでしょうか?
ヘイゼンは、医学的に広く受け入れられているアドバイスを行った。1日平均1杯くらいの飲酒は心臓の健康に役立ちますね——。「深く考えるような質問でもなかった」と言う。
しかし、その後、アメリカ医師会の医学誌『JAMAネットワーク・オープン』に掲載されたある論文を見て、ヘイゼンは患者に伝えるべきことについて自身の考えを根底から覆されることになった。
心臓病リスクを下げる酒量など存在しない
論文の結論はこうだ。心臓病のリスクをもたらさない飲酒レベルなど存在しない。週平均7杯の飲酒なら、まったく飲まない場合と比べてもリスクは小さいが、飲酒量が増えるとリスクは急激に高まる——。
マサチューセッツ総合病院の心臓病予防専門医で、今回の研究論文の著者でもあるクリシュナ・アラガムは「影響は大きい」と話した。「適量範囲を超えるとリスクは大幅に上がるということを知っておいてもらいたい」。