「緊張が解けない人」は横隔膜の使い方を知らない 緊張をリセットできる「横隔膜呼吸」の方法

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骨盤底筋群の筋力は出産や加齢などでも低下しますが、猫背になって長時間座っていると、この筋肉が固くなってしまうので、朝や寝る前に以下で紹介するストレッチを加えるのがおススメです。

骨盤底筋と呼吸の「意外な」関係

さて、骨盤底筋ですが、名前に骨盤とつくのに、どうして呼吸と関係があるのかと不思議に思う方もいらっしゃるかと思います。実際、この筋肉が呼吸運動に関係していることが知られるようになったのは、この15年ほどで、日本ではあまりメジャーではありません。

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骨盤底筋には尿道や肛門を引き締める役割があり、年齢や運動不足とともに、この筋肉が硬くなったり弱くなると、尿モレの原因となります。

特に女性は尿道が短く、出産などによってもそのリスクが高くなることから、どの年代の方も、予防を兼ねて鍛えておくといいとは思うのですが、「いやいや、まだ私そんな年じゃないし……」と気にされる方は、きっと少ないと思います。

でも、ちょっと骨盤底筋ストレッチのイラストを見てください。

(イラスト:あかませいこ)

どこかで見たことありませんか? そうなんです、右はヨガの「ネコのポーズ」、左はヒップアップの王道「ヒップリフト」です。

骨盤底筋ストレッチで気をつけるのは、呼吸とお尻の穴をキュッと閉めたり緩めたりする、タイミングだけ。ということは、このエクササイズは、背中や肩、腰回りの筋肉がほぐされるのと同時に、ヒップアップもできて、骨盤底筋も鍛えられるというおトクなエクササイズというわけなんです。ぜひ、朝、晩一日二回のストレッチに取り入れてみてください。

奥仲 哲弥 山王病院副院長

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おくなか てつや / Tetsuya Okunaka

1959年埼玉県生まれ。東京医科大学卒業。医学博士。山王病院副院長、呼吸器センター長。禁煙の活動に積極的に関わり、関連書籍も多数あり。小学生や高校生の子どもを持つ父親を対象にした禁煙啓蒙活動も行っている。専門は肺がんの外科治療。「サンデージャポン」(TBS)などテレビでも活躍中。

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