15歳からわかる経営学 津田倫男著
「小説仕立てのストーリー」で、あたかも実践経験したように経営理論、組織運営論の「さわり」を知ることができる入門書が受けている。本書は、最近の具体的な企業の動きを織り込みつつ、登場人物がセオリー(理論)やフレームワーク(考え方の枠組み)を理解しようとするものだ。
ナビゲーターは17歳と15歳の姉弟。弱体化したJAL、元気なANAを対比しつつ、あるいは高価でも売れるルイ・ヴィトン、グッチを例に、まずマーケティングとは何かを学ぶ。楽天、ユニクロを例にして、そもそも戦略とは何か、中でもドメイン戦略をどう評価すべきかを考えさせる。そしてソフトバンク、ホンダを俎上に載せ、ファイナンスの学習に進む。「知らずしてエリート・ビジネスパーソンになれない」DCF(割引現在価値)に踏み込むなど、決して水準を落とすことなく、同時に優しく基礎知識を体得させる。
専門書に挑戦する前に読んでおいて損はない。
実業之日本社 1260円
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