米国はキューバを再び「属国」にできるか

かの国は、したたかな「赤いレアメタル大国」

こうして見て行くといかにもアメリカが「ワルのいじめっ子」でキューバは「立場の弱い苛められっ子」だと思うかもしれない。だが、実際には両国の関係は複雑だ。

キューバ本土の人口は約1100万人であるのに対し、米国のキューバ系人口は約190万人。うち7割がフロリダ州に住んでいる。昔は共キューバ系移民は共和党支持が多かったが、最近は民主党のオバマ支持に変わってきている。当然、今回のニュースはフロリダのキューバ移民をはじめ、ヒスパニックたちは大歓迎だ。

国交回復は、アメリカの産業界にも絶大なプラスに

共和党は表面的にはオバマ大統領の政策に反対するかもしれない。だが今回の「お手柄」を巡り、裏ではキューバ系移民層の囲い込みを始めるはずだ。

なぜか。アメリカの産業界にとってはキューバと国交回復が決定されると、まず観光客のキューバブームが始まることは火を見るより明らかだ。さらに、未だに1920年代のアメリカ車が走っているキューバ市場に自動車が売れるし、住宅産業も大いに期待できる、と万々歳だ。こうして冷静に分析していくと、キューバ側だけでなく、アメリカの産業界にとってのメリットは計り知れないのだ。

一方、キューバという国家はいうまでもなく、中国やロシアとの関係が深い。だからキューバは今から中国やロシアに対して、アメリカとの両天秤に掛け始めることも、これまた確実である。

キューバのレアメタルビジネスを経験して驚いたことだが、キューバの貿易公団の連中は間違っても「素人」などではないのである。日本の商社マンの弱みも、政府間協力の予算の残高も、何でも良く知っている「したたかな赤いビジネスマン」なのである。そんな気質のキューバ人が、単純なアメリカの政策変更に「属国根性」を丸出しにするわけなどあり得ないのだ。

アメリカの言う事を素直に「ハイハイ」ときくような極東のどこかの国とは違うのである。2015年は始まったばかりだが、今年はキューバにもアメリカにも大きな変化が起こることは間違いない。

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