夫が"イクメン"でなくても、いいではないか 子育ての喜びを独占してしまおう

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それで音楽のことばかりを考えて人生を突っ走ってこられて、「還暦をすぎてふと振り返ったら、後ろに家族が付いてきてくれていた。本当に嬉しかった」という趣旨のことを語っておられました。

筑紫哲也さんも、そんな一人だったようです。最晩年、病を得て闘病中に家族と過ごされた期間に、家族の良さや有難さを改めて知り、もっと共に過ごせばよかったと悔やまれたそうです。お二人の夫人が子育ても一緒に楽しみたいと不満を持ち夫婦不和になっていたら、彼らはあのような活躍はできなかったかもしれませんね。ただし、筑紫哲也さんや矢沢永吉さんのように仕事に打ち込み多忙なわけではなく、単に育児に興味がなく自分の趣味を優先させたいだけ、というお叱りの声が返ってきそうです。

しかしながら、世の中の大半の家庭の夫は(あるべき論とは外れていても現実的には)家庭を大切に思っていても育児を顧みない場合が多く、かなり一般的な”問題“であり、それをどこまで問題視するのか、という受け止め方の問題であるとも言えるかもしれません。

変えられないことに執着しない

イクメンも珍しくなくなったとはいえ、まだまだ少数派です。家族は大切だけど、子供の面倒はすべて妻任せの人、大切ということも途中で気づく人(途中まで気づかない人)、気づいたときは手遅れの人、最後まで空気のように当たり前だと思って終わる人、人それぞれです。

私は子供たちの学校での様子をみるのが大好きでした。家庭では気づかない可愛らしさを「発見」する場所でした。ですからゆーこ様がご夫君と、それらを一緒に楽しみたいと思われるお気持ちはよく理解できます。

ですが学校行事以外にも、子供の成長を知る機会と喜びは、いっぱいあります。いくらご夫君を誘っても応じてもらえないことは、不満のタネにするより、役割分担だと割り切る方が上手くいきそうですよ。

矢沢永吉さんたちの話を紹介して、後悔しないようにねと、違う側面から攻めるのが、若いご夫君に有効ならいいのですけれど。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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