有料会員限定

結局、お金って何だろうか お金との付き合い方を哲学的に考える

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

そもそもお金とは何だろうか。なぜお金が価値を持つのか。

特集「お金と株 超入門」の他の記事を読む

お金は、人類が文字を使用し始めるのと同じくらい古くから使われ、現代の生活でも不可欠なものだ。お金が大切なことは、子どもだって知っている。ところが、「そもそもお金って何?」と改めて問い直すと、たいてい答えに窮してしまう。

別に難しい理論を要求しているのではない。それなのに、改めて考えてみればよくわからない──。「彼らはそれを知らない。しかし彼らはそれをやっている」(『資本論』)。これがおそらく、お金の特質かもしれない。

お金は一方で、多くの人が求め、手に入れたいと願っている。そのため、お金をたくさん持っていると、羨望の的になる。その点では、お金は価値あるものと言ってよい。それなのに、他方では、お金を求めることは、古くから軽蔑され続けてきた。例えば、『新約聖書』では、お金をばらまく悪魔「マモン」が描かれ、それに支配された拝金主義は「マモニズム」と呼ばれる。

古代のギリシア悲劇でも、近代の演劇でも、お金はどこかしら「汚い」もので、それを求める人は、しばしば非難されている。モリエールの『守銭奴』やシェイクスピアの『ヴェニスの商人』では、そうしたお金に対する両義的な感情が、ストレートに表現されている。お金の特徴は、この対立する2つの性格にある。

関連記事
トピックボードAD