日野自動車を襲う焦燥感、38年ぶりにトラック首位が交代 

日野自動車を襲う焦燥感、38年ぶりにトラック首位が交代 

38年ぶりの首位交代--。トラック業界がまとめた2010年の普通トラック(積載量4トン以上)の国内販売台数で、いすゞ自動車が日野自動車を僅差でかわし、初めて年間首位となった。日野は前年比24%増の1万6827台、いすゞは同31%増の1万6889台と、差はわずか62台だが、その差が持つ意味は大きい。

10年の国内普通トラック市場は、9月から全面実施された排ガス規制「ポスト新長期」を前にした旧型車の駆け込み特需が発生。これを取り込むために、「いすゞは大幅な値引き販売を実施して攻勢をかけた」(業界関係者)との声が少なくない。一方、日野関係者は、「今までどおり1台1台を大事に売っていく姿勢に変わりはない」と冷静さを装うが、心中は複雑なはずだ。

その背景にあるのが、出遅れた海外進出と国内市場への依存体質だ。

「国内の日野、タイのいすゞ、インドネシアの三菱ふそう」--。業界内ではこう表現される。日野はトヨタグループという強固な地盤を基に国内に安住してきた。が、今や市場は縮小傾向だ。

10年の国内市場は前年比24%増の5万台弱と4年ぶりにプラスに転じたものの、販売総数はピークだった90年の4分の1にまで激減しており、今後も大きな回復は見込めない。

実際、日野もそれ自体は認識しており、国内はシェアから採算重視に舵を切り始めた矢先だ。むしろ、国内首位という守るべき“看板”がなくなったことで、成長著しいアジアなど海外展開に軸足をシフトするきっかけになるかもしれない。

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