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僕らの文明観を考え直すときがきた 読書|人間と環境のあり方とは?

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生息地を人間に奪われたウイルスが、逆に自分たちの生息地を人間の体内に求めている。それが今の状況だと思う。つまり新型コロナウイルスに限定されることではなく、違うパンデミックが繰り返しやってくる時代になってきたのである。

東京工業大学教授 中島岳志(なかじま・たけし)1975年生まれ。北海道大学大学院准教授を経て、現職。2005年『中村屋のボース』で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞を受賞。(撮影:梅谷秀司)

延々と巣ごもり生活を送らなければならない社会。それを避けるには、人間と環境のあり方を根本的に見直さなければならない。本当の人間らしさを取り戻すためには、環境との付き合い方を変えざるをえない。そうした方向へシフトする分岐点なのだと思う。私たちの生き方を示してくれるような5冊を紹介したい。

イタリアのリアリティー

『コロナの時代の僕ら』を書いたパオロ・ジョルダーノはイタリアの作家で、素粒子物理学の専門家でもある。彼はこの本で、ウイルスの難民化という問題を語っている。「僕らのほうが彼らを巣から引っ張り出している」というのが問題で、だから「繰り返しやってくる」と。こうして文明観をもう一度見直すのが、「コロナの時代の僕らの役割である」。私たちが生きていく方向性をコンパクトに、かつ上手にまとめた本だ。

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