有料会員限定

時空を超えて得たもの 第6講 哲学|コロナ時代を思索する

✎ 1〜 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 最新
拡大
縮小
週刊東洋経済 2020年8/8・15合併号
書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

特集「コロナ時代の新教養」の他の記事を読む

「ミネルヴァのふくろうは夕暮れに飛ぶ」。これはヘーゲルの有名な言葉である。知恵の神の従者であるふくろう(哲学)は、夕暮れにしか登場せず「哲学はいつも遅れてやってくる」。事態が終わってしまった後に出てきてその本質を語る、という意味だ。喫緊の事態はいまだ現在進行形なのだが、それでも哲学は、コロナ問題をどう考えたらよいのか、その視座をある程度提供することはできるのではないか。曖昧だった事象の構造を示せると思われる。

東京女子大学教授 黒崎政男(くろさき・まさお)1954年生まれ。専門はカント哲学。 人工知能、電子メディア、カオス、生命倫理など現代的諸問題を哲学で解明する。『今を生きるための「哲学的思考」』『身体にきく哲学』など著書多数。

21世紀に生きるわれわれにとってはあまりにも当然のことだが、われわれはこのコロナ禍から自分を救ってくれるのは、宗教でも思想でもなく、医学を中心とする科学的知見であり、科学こそが、コロナの正体とその対処法を突き止め、乗り越えられると信じている。

一方、宗教界の対応はどうだろう。「3月下旬のイタリア。コロナ患者の臨終に終油の秘跡を素手で行った神父ら聖職者たち数十人が感染して次々と命を落とした」「日本の神社・寺院で身を清めるはずの手水舎は、感染のおそれがあると科学者に指摘され使用禁止となった」などさんざんである。

関連記事
トピックボードAD
トレンドライブラリーAD
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
コロナ時代の新教養
教養としてのSF小説
「既成概念への疑義」を読む
読書|新しい社会のヒント
読書|人間と環境のあり方とは?
読書|リアル書店で出合った本
Part3 最強読書|本で教養を身に付けよ
写真のリサイズソフトを作ろう
エクセルVBAで業務効率化
コロナ時代の英語術2| オンラインサービス活用法
コロナ時代の英語術1 |ビジネスに効く心得とコツ
3つのチェックポイントで読み解く
インフォデミックを乗り越えろ
代表的なオンライン学習サービス
Part2 独学習慣|オンラインで学ぼう
アフターコロナの岐路
70人の経営者・スペシャリストが語る
第9講 人間関係|ゴリラに学ぶコミュニケーション
第8講 社会|新自由主義が終焉
第7講 宗教|問い直される存在意義
不安や疑問に応える
第6講 哲学|コロナ時代を思索する
第5講 経営|ビジネスリーダーの心得
その他の記事はこちら
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
東洋経済オンライン有料会員のご案内