今やオンラインを通じて多くのデータを見る時代。そこで最低限必要となる教養は、データを読み解く力だ。元のデータが正しくても、見せ方次第で誤解を生むようなグラフが多いことに注意が必要だ。ここではグラフを読み解くリテラシーを身に付けてほしい。なおどのグラフもデータは架空だが、すべて実際に見たものを参考にしている。
まずは比較的わかりやすいポイントから見ていこう。普段私たちが見る棒グラフや折れ線グラフは、会社の売上高や店舗の来客数といった指標を時系列で見ることができる。その際、縦横の軸を意図的に省略・拡大することで増加や減少の傾向を大げさに見せることができてしまう。
まずはチェックポイント1の上のグラフを見てみよう。架空の店舗「四軒茶屋店」の月次売上高の推移が示されている。このグラフからは、2019年1月を底として、同店の売上高が順調に伸びているような印象を受ける。
しかしグラフの左側をよく見てほしい。軸が途中で省略され、縦軸の「始点」が1700万円となっていることがわかる。全体の傾向を正確に把握するのであれば、始点はゼロとすべきだろう。同様に横軸、つまり時系列に関しても注意が必要だ。グラフを作ったりデータを出したりする側が、都合のよい期間だけを表示している場合があるからだ。
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