前夜の酒で逮捕?「酒気帯び運転」の基準とは 「飲んだら乗るな」は当たり前だが……

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「先ほどの『酒気を帯びて』という要件は、両者に共通します。

『(政令数値以上)酒気帯び運転罪』は、それに加えて、『血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム以上』または『呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上』のアルコールを保有していた場合に該当します。この数値は、道路交通法施行令で決まっています。

酒に酔った状態で車を運転したとしても、血中アルコールが政令数値以下であれば、『(政令数値以上)酒気帯び運転罪』には該当しません」

二日酔いが該当する可能性も……

では、「酒酔い運転罪」はどうだろうか。

「『酒酔い運転罪』は、血中アルコールが政令数値以下であっても、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転すれば該当します」

どんな場合に、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれ」があるといえるだろう。

「たとえば、前の晩にお酒をたくさん飲んで、『頭が痛い』『吐き気がする』あるいは、そこまでいかなくても『体がだるい』という二日酔い状態での運転は、該当する可能性があります。そのような場合、車の運転は控えたほうがよいでしょう」

最近問題視されている、自転車についてはどうだろう。

「『酒気帯び運転罪』は軽車両、つまり自転車は除くとされています。しかし、『酒酔い運転罪』は『自転車は除く』とされていません。

つまり、正常な運転ができないおそれがある状態で運転すれば、たとえ自転車であっても『酒酔い運転罪』が成立します。

最寄りの駅から自宅まで自転車通勤・通学をされている方は少なくないと思いますが、お酒をたくさん飲んだ帰りには注意をしたほうがよいでしょう」

阿部弁護士はこのように指摘していた。お酒を飲む機会が多いこの時期、飲酒をするなら乗り物の運転は厳に慎むべきだろう。

阿部 泰典(あべ・やすのり)弁護士
平成7年4月 弁護士登録。平成14年4月 横浜パーク法律事務所開設。平成21年度 横浜弁護士会副会長。平成24年、25年度 横浜弁護士会法律相談センター運営委員会委員長、横浜弁護士会野球部監督
事務所名:横浜パーク法律事務所

 

弁護士ドットコムの関連記事
会社の食堂で「ノンアルコールビール」 昼休みに飲んだだけでクビになる?
忘年会帰りの「タクシー」に乗る前に「トイレ」に寄っておいたほうが良いワケ
京都の伝統家屋に設けられた「ガラス窓」を強制封鎖――「行政代執行」ってなんだ?
弁護士ドットコム
べんごしどっとこむ

法的な観点から、話題の出来事をわかりやすく解説する総合ニュースメディアです。本サイトはこちら。弁護士ドットコムニュースのフェイスブックページはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事