前夜の酒で逮捕?「酒気帯び運転」の基準とは 「飲んだら乗るな」は当たり前だが……
「先ほどの『酒気を帯びて』という要件は、両者に共通します。
『(政令数値以上)酒気帯び運転罪』は、それに加えて、『血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム以上』または『呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上』のアルコールを保有していた場合に該当します。この数値は、道路交通法施行令で決まっています。
酒に酔った状態で車を運転したとしても、血中アルコールが政令数値以下であれば、『(政令数値以上)酒気帯び運転罪』には該当しません」
二日酔いが該当する可能性も……
では、「酒酔い運転罪」はどうだろうか。
「『酒酔い運転罪』は、血中アルコールが政令数値以下であっても、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転すれば該当します」
どんな場合に、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれ」があるといえるだろう。
「たとえば、前の晩にお酒をたくさん飲んで、『頭が痛い』『吐き気がする』あるいは、そこまでいかなくても『体がだるい』という二日酔い状態での運転は、該当する可能性があります。そのような場合、車の運転は控えたほうがよいでしょう」
最近問題視されている、自転車についてはどうだろう。
「『酒気帯び運転罪』は軽車両、つまり自転車は除くとされています。しかし、『酒酔い運転罪』は『自転車は除く』とされていません。
つまり、正常な運転ができないおそれがある状態で運転すれば、たとえ自転車であっても『酒酔い運転罪』が成立します。
最寄りの駅から自宅まで自転車通勤・通学をされている方は少なくないと思いますが、お酒をたくさん飲んだ帰りには注意をしたほうがよいでしょう」
阿部弁護士はこのように指摘していた。お酒を飲む機会が多いこの時期、飲酒をするなら乗り物の運転は厳に慎むべきだろう。
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