gumi社長、「ITが日本を引っ張るべき」 上場後の戦略を國光宏尚社長に聞く(下)

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「最終的なゴールはエンタメ企業で世界一になること」と語る國光宏尚社長(撮影:今井康一)

2014年12月18日、東証1部市場に新規株式公開したgumi。スマートフォン向けロールプレイイングゲーム(RPG)「ブレイブフロンティア」は67カ国で配信し、ダウンロード数は海外1700万、国内400万のヒット作。その上場後の戦略を國光宏尚社長に聞いた。

前編は、新規上場のgumi、「目標はエンタメ世界一」

 

――1~2年後の収益ポートフォリオのイメージは。

わからないし、言えない。仮に、神様が一切ほほえまず、ヒットが出なくても、パブリッシングだけで食っていける。でも当社は打席数を(同業他社と比べて)世界で一番大きくし、打率の高い優秀な人材も世界一多い。当たらないわけがないと思う。それ次第で売上高は変わってくるが、僕は期待していますけどね。

――日本でヒットしたゲームを海外でも当てるのは難しい。

正直、1位はとれないと思う。でもニッチでもファンは獲得できると思っていて、僕はグローバルニッチと呼んでいる。ブレフロも欧米で1位になれないけれど日本的なものが好きな人は一定数いるので、そこを確実に取り込めたらヒットを量産できる。

だから僕らの戦略として日本のクリエイターに言っていることは、「最初から世界を狙って、欧米人受けを狙っても欧米人には勝てない。だから、自分が面白いと思う、自分がやりたいと思うゲームを日本人に向けて作れ」ということ。それが際立って面白ければ、世界ではそれが好きなニッチなファンがいる。

同じくアメリカのクリエイターには、「日本を意識するな。欧米ではこれだというゲームをしっかりと作れば、日本でもアジアでもニッチなポジションを築ける」と言っている。世界中にクリエイターがいるのが強み。

Think global act localを基本に

――840人の体制をどうやってマネジメントしていますか。

社内で言っているのは「Think global act local」。グローバルで考えて、徹底的に現地化するのが会社の標語。海外拠点は8拠点あるが、日本から送り込んだ社員はかなり少数。現地拠点の社長やエンジニア、ゲームディレクターのリーダーといったコアメンバーには、徹底的に面接して「一緒にやろうぜ」という感触があった人を採用している。

彼らと作った計画がブレていない限りは一切口出しせず、彼らに現地採用もやってもらう。ただし日本が先行しているソーシャルゲームや課金の仕組みなどで、わからなくて困っていることがあれば、日本から手伝いを送ってノウハウを移植する。2年半前から現地化を徹底して進めてきたので、韓国やシンガポールで現地企業と勘違いした記事が出たときも、それはそれでうれしかった。

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