スマニューに転身、ミクシィ経営幹部の変心 新事業創出を担う最高事業責任者が辞任
取締役の就任から1年半――。ミクシィは12月22日、最高事業責任者を務める川崎裕一取締役(38)が31日付けで辞任すると発表した。プレスリリースには「一身上の都合」と書かれているだけだが、ミクシィは「スマートニュースの執行役員の業務に専念すると聞いている」と説明する。
ミクシィは8月にニュースアプリを展開するスマートニュースに出資。これに伴って川崎氏はスマートニュースの執行役員を兼任し、同社で広告事業開発担当という要職に就いていた。資本業務提携後は、ミクシィとの共同開発で新規事業の「SmartNews Ads Network」の開発責任者として、広告配信サービスの立ち上げに関わっていた。
新事業の創出を統括
12月1日に開催されたスマートニュースの事業戦略説明会では自ら壇上に立ち、「SmartNews Adsを通じて、全く新しい広告領域を切り開きました。それがモバイルニュース広告という分野です」と熱く語っていた。それから1カ月も経たないうちに飛び出したのが、ミクシィの取締役辞任である。執行役員就任からわずか4カ月のうちに、心は完全にスマートニュースに奪われてしまったということなのだろうか。
ミクシィでも川崎氏は重要な役割を担ってきた。2013年1月に入社し、6月には取締役最高事業責任者に就任。新規事業の創出を目指す「イノベーションセンター」を統括し、クロスファンクション本部長として各事業を連携させて横串を刺すという役割も担ってきた。
実は川崎氏は、ミクシィが12年12月に買収したスマートフォン向けソーシャルサービスを手掛ける「kamado」の創業社長だった。それ以前の04年~09年ははてなの副社長として事業開発を担当するなど、ネット事業に関して幅広い経験とノウハウを持つ人物だ。
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