本格化?「ソーシャルショッピング」の正体 これがエニグモ「BUYMA」で稼ぐショッパーだ

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「ショッパーにはスペシャリストになって欲しい」と語るエニグモの須田将啓社長(撮影:今井康一)

また、ブランニューブランド賞も選んだ。2人が受賞したが、特にhanawadakimさんが扱ったタイ発の水着ブランド「チュアンピサマイ」は花びらを使ったデザインが人気を呼び、生産が追いつかなくなるほどの大ヒットを記録した。

ファン賞としては、購入者からの人気投票で選ばれた2人を発表した。ショッパーの中には商品の選別力、情報発信力やこまめな連絡と対応で人気を集める人も多く、ファンも数多く抱えるケースが少なくない。それを象徴する賞といえそうだ。

2014年11月からは返品補償制度も

エニグモでは、ショッパーがより活躍できるようにサポートを強化中だ。2014年11月から一部のショッパー対象に始まったのが返品補償制度。これまで「洋服などはサイズの問題もあり返品リスクが高く、出品したがらない人も多かった」(安藤取締役)。そこで、返品ポイントとして返す制度を設け、こうした商品の出品を促している。キャンセルされた洋服は、バイマで引き取り、割り引き販売するため、エニグモとしてもリスクを抑えられているという。

同社の須田将啓社長はパーソナルショッパーという名称に、「商品の購入代行をするだけでなく、個々のセンスを生かして、顧客のニーズに応じた細やかなサービスを提供するホスピタリティを持ったスペシャリストになって欲しい」という思いを込めたという。顧客への「接客」に期待しており、実際に、ショッパーが「お得意さん」へ複数の商品候補を紹介するなどこまめにやり取りしながら対応をする動きなども始まっているようだ。

これまでも、ショッパーの成否を分けてきたのは、細かな連絡などコミュニケーションと梱包の丁寧さ。入れ物の箱が潰れていたり、到着が遅れただけで激怒する購入者も多く、きめ細かい対応が必要だった。エニグモでは各国との物流業者との提携も進めており、安全で丁寧な発送作業への支援も進め、バイマという市場育成に励んでいるところだ。

さまざまな顧客の要望、苦情も糧にしながら進化するバイマ。パーソナルショッパーのスキルアップも進んでおり、世界中の面白い商品を見つけることができそうだ。

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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