子どもの命を預かっている保育現場だが、慢性的な人手不足の悩みは深い。
無償化の流れの中で入園希望者がさらに増加すると見込まれる一方、保育現場の慢性的な人手不足は深刻化の一途をたどる。いま現場では何が起きているかを保育園関係者に聞いた(個別取材を基に座談会形式で構成)。
[プロフィル]
A…保育士:40代女性。新卒採用後、数園を経験
B…保育士:30代女性。子育て中でパート勤務
C…園長:都内で複数の保育園を運営
D…園長:複数の保育園で園長を経験
E…保護者:40代女性。都内新設園を利用
──とにかく勤務時間内に仕事が終わらないという声を聞きます。
A 残業のない保育園はほとんどない。休憩時間をすべて潰しても終わらないほどの仕事量だ。中でも負担なのが事務作業。子どもたちの活動記録や保護者への連絡帳の記入に加え、週ごと、月ごとの保育計画の策定もある。あとは行事関連の手作業。運動会やクリスマス会ではこだわって装飾や衣装を手作りすることが求められる。
B 保育現場の「手作り信仰」は異常だ。私はいまパートタイムで働いているが、ベテランの保育士が22時すぎまで残業したり、終電を逃してホテルに泊まったりといった話を聞く。とても子育て中は常勤にはなれないと感じる。
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