15歳未満の子どもの死因で最も多いのは病気だ。
子どもの命を脅かすリスクは児童虐待や保育事故だけではない。厚生労働省の統計では、医療技術の進歩などで、子どもの死亡率は低下しているが、0~19歳で年間4362人(2018年)もの尊い命が失われている。死因を見ると、0~9歳では病気、不慮の事故が大半。10歳以上ではそれに自殺が加わる。
Part3では、こうした統計に表れる病気や不慮の事故にどう向き合えばいいかを考察する。
まず取り上げるのは病気。一口に病気といっても、年齢によって傾向は異なる。
0歳児の場合、病死の原因の割合では、先天性の異常によるものが36%と最も多い。次いで出産時の呼吸障害などが13%。さらに元気だった子が突然亡くなる乳幼児突然死症候群や心疾患、肺炎が続く。1歳以上になると悪性新生物(がん)が増え、5歳以上では病死原因のトップとなる。
このような病気による死は予防できるのか。国立成育医療研究センター総合診療部統括部長の窪田満医師は「大人と子どもでは病死の考え方を変える必要がある」と言う。
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