「結愛ちゃんはアートセラピーも受けていた。人懐こいかわいい子どもだった」
優里被告の裁判でそう証言したのが、結愛ちゃんの主治医だった、四国こどもとおとなの医療センターの木下あゆみ医師だ。木下医師はこうも証言した。
「優里被告は夫から言われ、夫の帰宅に合わせて熱々の食事を用意。結愛ちゃんの食事を手作りし、量もきっちり計るなど、夫のコントロールがうかがわれた。自分はアホだからとよく口にした。夫にそう言われていたようだ」
「17年10月の診察で、結愛ちゃんは施設に行きたいと言った。小さい子どもが親から離れたいというのはよほどのことだと思い、児童相談所に通告した。だが、結果的に子どもが発したSOSを共有できなかった。東京への転居後、連絡しても返信がなくなった。夫が支配するクローズドな環境に入った。死ぬかもしれないと危機感を持ち、品川児相に連絡したが助からなかった」
筆者は改めて木下医師に話を聞いた。
虐待には「解釈」が必要だ。傷が軽くても傷ができた体の部位、状況、家族の関係性などで危険度は違う。加害親が不起訴だったから危険ではないということにはならない。アセスメント(評価)が適切にできないと、家族関係の改善は期待できない。
私は20年近く、善通寺市、丸亀市など香川県の中西讃地域の行政の担当者や、児相など関係機関と月に一度、ケース検討会議を開いてきた。13年には厚生労働省の「児童虐待防止医療ネットワーク事業」の香川県の拠点病院の医師として、他の機関と連携し、県レベルで顔が見えるネットワークをつくってきた。
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