密室で行われる虐待。子の声を拾うには児相、警察、病院、民間の連携が不可欠だ。
なぜ子どもを一時保護したのに、家に戻したのか。なぜ親を逮捕したのに、不起訴にしたのか──。相次ぐ虐待死事件では、「ここぞ」という場面で結果的に児童相談所や警察、検察などが子を救うための判断を行えていなかったことに批判が集まる。
虐待は家の中という密室で起こる。そのため、児相が子どもを保護し、児童養護施設へ入所させる措置を行ったり、警察や検察が虐待事件を立証したりするために必要な情報を入手するハードルは高い。
措置や立証の根拠として重要になるのは、子ども自身の証言だ。しかし子どもから正確な情報を得るのは難しい。子どもは本能的に親を守ろうとする傾向があり、被害をなかなか話そうとしないからだ。さらに児相や警察、検察などがさまざまな角度から質問を浴びせることで、記憶があいまいになることもある。話の内容が変わっていけば、証言の信用性も低くなる。
そうした状況を避けるために近年、導入が進んでいるのが警察と検察、児相などが協同で行う「司法面接」だ。それぞれの機関で何度も行っていた面接を一度に行い、繰り返し聞かれることによる証言の変化を防ぐ。
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