虐待死と認定されている子どもの死は、実は氷山の一角だ。
2018年1月11日19時ごろ。愛知県豊田市に住む三つ子の母(当時29)が、自宅で生後11カ月の次男が泣きやまないことに腹を立て、床にたたきつけた。次男を投げ落とすと、母は「気持ちが少し落ち着いた」という。
その後、様子がおかしいことに気がつき、自ら119番通報。救急車が到着するまで心臓マッサージを施した。しかし1メートルを超える高さから畳に2回たたきつけられた次男は、脳損傷により同26日に亡くなった。母は殺人未遂の容疑で逮捕された。
裁判員裁判の一審の判決は今年3月、名古屋地方裁判所岡崎支部で出され、母は傷害致死罪で懲役3年6カ月を言い渡された。執行猶予はついていない。
弁護側は母が育児で追い詰められ、うつ状態だったと主張。泣き声を聞くと動悸や吐き気が起こり、自分の体をあざができるほどたたきいら立ちを抑えた。裁判長は、「危険性が高く、悪質」とした一方、「懸命に育児を行っており、犯行に至る経緯に同情できる点も少なくない」と述べた。
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