2014年にノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏は米カリフォルニア大学の教授だが、その研究拠点の一つを中国・深センに置いている。深セン市は世界中からノーベル賞受賞者を誘致しており、それに応じたのだ。
「ノーベル賞科学者ラボ」と題したこのプロジェクトでは1件当たり1億元(1元=約17円)程度の研究費を助成し、最先端の科学技術が導入された研究拠点を提供する。すでに10カ所以上のラボが発足しているが、今も日本人を含め多くの研究者にアプローチが続いているもようだ。
筆者は10年間以上の日本滞在を切り上げて3年前に帰国した。働く場として深センを選んだのは、ここが中国のイノベーションセンターだからだ。深センの経済規模は北京・上海に次ぎ、今や中国第3の都市だ。
中国の研究論文数の急速な増加、研究の質の向上を日々目の当たりにしているが、高度人材の誘致策にも目を見張るものがある。
中国の国から地方の市、区まで各級政府は国内外の高度人材を誘致し、それにふさわしいインセンティブをつける「人材政策」を推進している。08年に始まった「千人計画」(海外で博士号を取得した人材を中国へ呼び戻す政策)をはじめ、さまざまな政策が施行されている。
深セン経済の好調支える「孔雀計画」とは
深セン市政府の人材政策「孔雀(くじゃく)計画」は10年に打ち出された。「孔雀は東南へ飛ぶ」ということわざにちなみ、海外で学んだ人材を中国の東南部にある深センへ集める計画だ。1年以上の国外留学経験を持ち深センで就労している博士号取得者のうち、所定の条件を満たす者を「孔雀人材」に認定して、3種類の助成を行うプログラムだ。
この記事は有料会員限定です
残り 553文字
