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「大学性悪説」が日本の大学を疲弊させる オックスフォード大教授が斬る

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900年超の歴史が英オックスフォード大学に根付いている(アフロ)

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英国にある大学の学長たちの団体、Universities UKが、2015年に「英国大学の経済的な役割」と題する報告書を刊行した。その最初のページは次の文章で始まる。「大学は英国経済の中で必要不可欠の役割を果たしている。大学はスキルを高め、イノベーションを促し、投資と優秀な人材を引き付ける。高等教育は、外貨を稼ぎ出す英国の高度成長部門の一つである」。

これに続いて、下表のように根拠となる数字(11年度)が並ぶ。この事実を踏まえて報告書は「大学はビジネスにおけるイノベーションを拡大し、輸出主導の知識集約的な経済の成長を助けることで、グローバルな市場での英国の競争力を維持することを確実にしている」と続ける。

英国政府の補助金が減額される中で、この団体が大学のためのロビー活動を行っていることを考慮すれば、報告の意図は明らかだ。これまでの実績を基に、大学への投資が経済に貢献している事実を数字で明確に示すことで、大学の重要性を政府や社会にアピールしようというのである。

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