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地方国立大の危機的貧困 いびつな大学改革と競争制度

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年50万円では回らへん

岡山大学で免疫細胞を研究する田中智之教授の研究室には、大学院修士課程6人、学部学生9人、計15人の学生が所属する。

岡山大学教授 田中智之さん(47)[研究領域]生化学

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「僕らぐらいの陣容の研究室だったら最低限の実験機材、試薬代などで年間500万円はないと回らへん」と田中教授は言う。だが、大学から定期支給される研究費(運営費交付金に基づく講座費)はたかだか年50万円。つまり450万円足りない。

そこで二人は日本学術振興会の競争的資金制度である科学研究費(科研費)助成事業に応募する。科研費の受給額は、ランクや領域によって異なるが、「基盤研究C」という3~5年期限の最も手軽な補助を得る。よりランクが上で受給額の大きい枠もあるが、地方国立大学で獲得できる人は少ない。

この科研費を得ると二人合わせて200万円。それでも研究室は回せない。あとの250万円は民間の科学研究助成財団からかき集める。「これが当たらないんですわ。1割当たればいいほうだ」と田中教授は渋い顔をする。

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