日本株に意外なXmasプレゼント、中身は? 「ダウの呪い」を解くカギが見つかった?

拡大
縮小

前回(12月7日)のコラム「不吉?日経平均とNYダウが交わるとき」でも指摘した通り、日本株について警告してきた「ダウの呪い」(ダウ平均のポイントを日経平均が抜いたり接近したりする時、日経平均の目先天井となるというもの。今回も警告は現実になった)は、蓋然性のない、まさにアノマリーだ。

日本株に「クリスマスプレゼント」?

一方で、株価を考えるうえで、有力な指標の一つにPER(株価収益率=株価÷1株利益)があるが、日米の株価を比較する際、その「PERの縛り」には理屈があるのだ。

どういうことだろうか。やさしくかつ自虐的にいえば、世界で独り勝ちしていて、成長企業を抱えるアメリカのPERを、借金だけが世界一の、人口減少国日本が抜くのはおかしい(抜くはずがない)ということだ。

だが、PERを考えるうえでは、ちょっとした朗報があった。12月17日(水)に、今まで今期の業績予想を出していなかった東京電力が、当期純利益5210億円と言う予想数字を出したのだ。

当然のことながら、日本経済新聞は、株式欄で上場企業のさまざまな情報を出しているが、日経としては予想を出していない企業の数字は、便宜上ゼロとしてカウントする。

従って計算上は、日経平均採用銘柄である東京電力が、従来の「利益計画ゼロ」から、膨大な上方修正をしたことになり、12月18日(木)は390円高をしたにもかかわらず、前17日の15.64倍に対して15.52倍と、逆にPERの低下となったのだ。

続く12月19日(金)は、読者の皆様もご存じのとおり、さらに411円高となって、1万7600円台に乗せた。だが、実は日経平均予想のPERは、12月21日現在、15.93倍である。

この数値をどう評価するか。長年日本株を見てきた筆者は、日本株の総合的な実力を勘案すると、日本株の警戒ゾーン(下落する危険性のあるゾーン)は「PER16倍台後半」としているが、現状は16倍後半どころか、16倍にも乗せていない、ということになる。

次ページ目先の株価と2015年の相場はどうなる?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT